Recommend CD 2 
 


 「なんぼ」のメンバーが紹介するレコメン(お薦め)CD

 音楽なんて所詮個人の嗜好のものだから、他人が推薦しようがけなそうが好きなものは好きだし嫌いなモンは嫌いだし、という話になるので、そもそも推薦なんてあんまり意味がないかもしれないのだが、例えば「ヴォーカルを聴いてみたいけど何から聴いたらいいのかわからない」などとといったような、純粋かつ素朴な悩みの解決の一助にでもなればと思う。
 そして、それをきっかけにヴォーカルを好きになってもらえば、なお良いのである。

 なお、下記の留意事項をじゅうぶんにご理解のうえ、必要な部分だけご利用ください

【留意事項】
 ※基本的に、客観性はまるでない。
 ※この1曲!とかいうノリが多いので、全部を聴くとダルいものもあるかもしれない。
 ※LPとしては感動したが、CDではさほどでもないようなものもあるかもしれない。
 ※ジャケットが好きで贔屓にしているが、曲はフツーであるものもあるかもしれない。
 ※きっちり推薦しているフリをして、実は思いつきで選択しているものあるかもしれない。
 ※わかったふうなことを書いているが、案外勘違いしていることもあるかもしれない。
 それぞれのジャケット写真のとなりに、リーダーミュージシャン、タイトル、勝手なコメント等を掲載しています。




Instrumental

Vocal ◎Musica Popular Brasileira


Vocal


Jane Fielding (vo) Embers Glow
 これはズバリ冒頭の表題曲である。最初に国内盤のLPが発売されるまでは「超」が付くくらいの幻盤(あえて「名盤」とまでは言わないが)であった。そんなに上手くもないのに、雰囲気で聴かせるシンガーである。けだるいムードのなかで、適度な距離感を保ちながらふんわりと包み込むような不思議な空気感がある。私の好きなパターンのひとつである。彼女の人生もう1枚のアルバムでありデビューアルバムでもある「イントロデューシング」はケニー・ドリューのトリオだけをバックに歌っているもので、こちらは現在も容易に入手できるはずだが、なぜか「エンバース・グロウ」は、おそらく1991年にCDがリリースされて以来、再発されていないのである。個人的には、こっちの方が好きなんだけどね。 (1956年)
Joni James (vo) Among my souvenirs
 ジョニ・ジェイムスは、かの寺島靖国氏が入れ込んでいた歌手である。彼が自著等で褒めちぎっていたものだから、あっという間に全国区の知名度を獲得してしまった感があるが、なるほどいい味を出している。いわゆるジャズ・シンガーではないので、それ故にというかレパートリーが多様で、スウィンギーなジャズテイストのものからポピュラーソング、宗教的な色合いの濃いもの、イタリア語やフランス語で歌っているものなど、50年代半ばから60年代半ばまでの約10年間に、たくさんのアルバムがリリースされている。そんななかで、個人的にいちばんしっくりくるのが、これ。ジャズとはかけ離れた、言ってみれば小唄的なものが多いのだがいずれも佳曲揃いで、1曲目の「オールウェイズ」から5曲目の表題曲まで続く一編のストーリーのような流れは絶品。ジャケットがまた秀逸で、驚くくらい内容にマッチしている。青く切ない初恋の香りに満ち溢れ、心を揺さぶられるのである。 (1950〜60年代)
Rita Reys (vo) The cool voice of Rita Reys vol.2
 リタ・ライスといえば、もうひとつの「クール・ヴォイス・オヴ …」やライヴ盤の「ジャズ・ピクチャーズ」の方が有名であるが、これらを含めた3枚のなかで、個人的には、いちばんジャズっぽくないこのアルバムが最高であると考えている。4曲目の「キーピン・マイセルフ」、6曲目の「スプリング・キャン・リアリィ・ハング・ユー・アップ・ザ・モスト」、8曲目の「グレイター・ラヴ」、10曲目の「ホェア・アー・ユー」などシブめの曲が目白押しで、これがまた、彼女のクールヴォイスとよくマッチしているのである。ジャケットも秀逸で、こんなやつこそ本当はLPで持っておきたいものであるが、オリジナルLPは5万くらいが相場らしい。そういえばなんぼの新年会で坂本女史が、好きなヴォーカリストとしてリタ・ライスの名前をあげたので、このアルバムの話やらで大いに盛り上がった。こんなシチュエイション、ほとんどあり得ないだろう。  (1958年)


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